住宅ローンの場合、団体信用生命保険という保証制度があります。これは契約者が死亡した場合や重度の障害を負った場合に、契約者に代わり保証会社が返済をしてくれるというものです。
カードローンの場合、もしも契約者が死亡したり、病気になった場合にはどうなるのでしょうか?もしも、自分や家族がカードローンを利用しているのであれば、残りの債務を誰が請け負うのか気になります。
はたしてカードローンにはそのような救済措置があるのかどうか調べてみました。
返済が帳消し!?団体信用生命保険の仕組みとは?
まずは住宅ローンなどを組む時、加入が義務付けられている団体信用生命保険についてご説明しましょう。
住宅ローンなどは長期間にわたって返済を行います。返済期間が30年という場合もあり、その間にもしものことが起こらないとも限りません。
もし返済の途中で死亡したり、重度の障害を負うことになった場合には、家族への負担が大きくなってしまいます。団体信用生命保険に加入することで契約者にもしものことがあっても、保証会社が代わりに金融機関へ返済をしてくれることになります。
この保険によって、金融機関はリスクを免れ、また残された家族も守られることになるのです。
持病があると団体信用生命保険に加入できないことも!?
しかし、団体信用生命保険に加入するためには健康であることが前提となります。持病があれば、団体信用生命保険には加入できず、住宅ローンは組めないということになります。
しかし、最近ではもう少しハードルに低い団体信用生命保険もあり、病気の度合いによっては加入できるものもあるようです。
保険料の支払い方法ですが、借入先の金融機関が負担してくれるもの、金利に上乗せされるのもの、別途毎月支払うものなどいろいろありますので、確認してください。
またすでに住宅ローンをカバーする生命保険に加入している場合は、二重の支払いとなってしまうので見直しが必要です。
住宅ローンを組む際に必要な団体信用生命保険ですが、カードローンの場合はどうなのでしょうか?契約者のもしもを助けてくれる生命保険はあるのでしょうか?
カードローンには原則生命保険はなし!
カードローンの場合は基本的には団体信用生命保険はありません。
以前は生命保険付きのカードローンも多数あったようでしたが、悪徳業者が返済できなければ死んで返せと脅すなどモラルに反する行為が多く、いつの間にかなくなっていきました。
では、実際にカードローンの契約者が死亡した場合、借金の返済はどうなるのでしょうか?
プラスの財産よりもマイナスの財産が多ければ、家族は財産の相続を放棄することができます。その場合には、カードローンの返済を行う義務はありません。
ただし、故人が家族に秘密でカードローンを利用していたというケースもあるので、亡くなった際には借金についてきちんと調べた方がよさそうです。
保証人制度から保証会社へ
カードローンに関しては、生命保険よりも保証人制度が一般的でした。しかし、保証人制度は保証人と債権者、債務者の間でトラブルになるケースが多く、保証人制度はカードローンのハードルを高くしてしまっていました。
現在は不景気の影響もあって、他人の保証人になる人はほとんどいません。
カードローンでは保証人制度が廃止され、代わりに保証会社を利用するようになりました。よく大手金融機関が個人融資を行う際には、消費者金融や信販会社などの保証会社を利用します。
カードローンの利用条件には保証会社の保証が受けられる人というのが挙げられています。しかし、この場合保証会社と言っても、債権が保証会社に移るだけで、返済義務は契約者にあります。
保証会社を利用することで、カードローン会社は貸したお金の未回収を防ぐことができますので助かりますね。
スルガ銀行カードローンなら生命保険付き!
唯一生命保険が付いているカードローンとしては、スルガ銀行のリザーブドプランがあります。リザーブドプランの保険会社はカーディフ生命保険会社となります。
リザーブドプランの消費者信用団体保険では、死亡時と高度障害を請け負った時に保険金が支払われます。保険金は保険金支払事由に該当したときの未返済債務金額、つまり残りのローンの支払いをしてくれるというものです。
高度障害に当てはまる病気や事故の詳細は契約書などで確認することができます。
また保険適用期間は、満76歳になった月の末日までと決められています。保険に加入するかどうかは申込時に選択することができます。
信用団体生命保険の他にもガン保障特約付きなので、がんと診断されたときには治療に専念することができます。
金利 | 限度額 |
---|---|
年利3.9%~14.9% | 10万円~800万円 |
リザーブドプランの申込方法
申込資格
- 契約時年齢が20歳以上、70歳以下の方
- 安定した収入があり継続した取引が見込まれる方
- 消費者信用団体生命保険付きを選択のときは、保険に加入できる方
必要書類
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証等)
- 限度額500万円以上の場合は収入証明書
申し込みの流れ
↓
審査
↓
本人確認書類のアップロード
↓
審査結果の連絡
↓
口座振込(カードは約1週間後に郵送)
返済は定例返済となり、利用残高に応じて毎月決まった金額を返済します。たとえば、返済時のご利用残高が10万円以下の場合は返済額は3千円以上、10万円超20万円以下の場合は6千円以上、20万円超30万円以下の場合は9千円以上となります。
その他にも余裕のあるときには随時返済が可能です。
生命保険付きのカードローンはほとんどありませんので、スルガ銀行のリザーブドプランは貴重な商品と言えるでしょう。
死亡以外の理由で返済できないと信用情報に傷が付く!
死亡以外でも、経済的に困窮し、カードローンの返済ができない場合があります。リストラや倒産などで職を失ったり、借入を繰り返すうちに多重債務に陥るなど返済が不可能になった場合にはどうしたらいいのでしょうか。
むしろ、死亡以外の理由で返済が滞る可能性の方が高いように思います。家族や知人にお金を借りることができればいいのですが、そうもいかないという人が大多数だと思います。
カードローンの返済ができなくなったときにはまずはその旨をカードローン会社に相談することから始めましょう。
カードローン会社も返済が全くなされないよりは少しづつでも返済してもらった方がいいので、返済計画の見直しの相談に乗ってくれると思います。
ただし、返済計画を見直してもやはり支払いできないというのであればその他の選択肢を検討する必要があります。
特定調停
裁判所が間に入り、カードローン会社への返済方法や返済金額の減額などについて交渉してくれます。最もハードルが低い方法で、多少なりとも返済できる場合に有効です。
任意整理
弁護士や司法書士に依頼して、返済方法や返済金額の減額についてカードローン会社と交渉してもらう方法です。
よく耳にする過払い金請求も任意整理の一つです。金利に関する法律が改正される以前に高金利で借入していた場合、現在の金利に直して、払い過ぎた利息分を返金してもらうことができます。
ただし、任意整理は借金が無くなるというわけではないので、勘違いしないようにしましょう。
自己破産
そして、返済できない場合の最終手段が自己破産です。自己破産は裁判所に申し立てをして、借金を免除してもらう方法ですが、自己破産すれば借金が全てなくなってラッキーというのは大間違いです。
自己破産の最大のデメリットは今後クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなることです。
最近はネットショッピングなどクレジットカードが主流となっていますので、不便を強いられることになります。
その他には現金、預貯金、不動産、車など、財産を持てなくなるというデメリットがあります。もし貯金や持家などがあれば、まずはそれを現金化して返済する必要があります。
自己破産や債務整理は、お金を返さない人と判断され、信用情報に傷が付きます。今後一定期間、借入などはできなくなりますので、慎重に考えて決断しましょう。