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なぜ担保や保証人が不要?カードローン条件のヒミツ

急な出費や給料日前のピンチにとっても助かるカードローン。

お金を早く借りることが出来るだけでなく、必要な書類が運転免許証だけでOKだったり、保証人や担保が不要だったりと手軽に利用できる点も大きな魅力ですね。

ただ、住宅ローンのように、お金を借りる際は基本的に保証人や担保が必要というイメージがある方も少なくないと思います。

なのになぜ、カードローンは保証人も担保も必要なしでお金を借りることが出来るのでしょうか?その理由や注意点など、カードローンにおける「担保」や「保証人」について今回は解説したいと思います。

保証人が不要なのにお金を借りられる理由、3つを解説!

どうして保証人が不要なのにお金を借りることが出来るの?という疑問は非常に素直なものだと思います。

親から借りる、友達同士でちょっと借りるというのはまた別ですが、自分のことをよく知らない企業からお金を借りるわけですから、貸してくれるのはありがたいものの大丈夫なのかな?と不安になってしまう部分もあるかもしれません。

カードローンはいわゆる「信用貸し」で成立しているのですが、それだけではありません。担保や保証人が不要な理由を紐解いていきましょう。

借り入れ可能な金額が少ない

まず最初に、カードローンは借り入れが可能な金額が少なく設定されていることが多い点が挙げられます。

住宅ローンと比較してしまうのはちょっと違うかもしれませんが、カードローンで利用出来るのは高くても1,000万円まで。

大手の銀行や消費者金融は500万円~800万円を上限と設定しており、中には50万円までや100万円、200万円までといった少額を天井にしている商品・会社も見られます。

1,000万円でも十分な大金だとは思いますが、住宅ローンで借りることが出来るのは数千万円単位。それに比べるとかなり少ないと言ってもいいのかもしれません。

あくまでそこまで借りることが出来るというだけで、

  • 実際1,000万円も借りるにはかなりの収入が必要
  • 消費者金融の場合は総量規制がある

などハードルが高く、また借り入れを希望する側もそんなに大金は必要ないことの方が多いので、実際1,000万円借りている方はそういないでしょうね。

また、そこまで設定があったとしてもあくまで「借りることが出来る」というだけで、新規でいきなりそこまでお金を借りることは出来ません。

いくら年収が高かったとしても、最初はせいぜい50万円~100万円くらいのラインになります。

これは

  • きちんと返済してもらえるかわからない
  • 仮に返済してもらえなかった場合のリスクを軽減させる

といった狙いがあります。もちろん、最初は10万円~30万円しか借りられないケースも非常に多いです。

最初からぽんぽんお金を貸してしまうと貸し倒れのリスクが上がるために、最初はかなり抑えめにしているといっていいでしょう。

設定している金利を高く設定することでリスクを低減

ただ、借り入れ可能な金額が少ないといっても、こんな疑問を抱える方もいるでしょう。

「それでも車のローンなんかよりも利用限度額が高い場合もあるよ?」と。これは一例ですが、みずほ銀行の新車ローンとカードローンを比較してみましょう。

項目 新車ローン カードローン
(スタンダード)
カードローン
(エグゼクティブ)
利用限度額 500万円まで 1.000万円まで 1.000万円まで
金利 変動金利:3.70%
固定金利:4.35%
4.0%~14.0% 3.5%~7.0%

借入金額はカードローンの方こそ高いものの、その金利は大きく違うことがわかります。

最低金利はエグゼクティブプランの方が低いですが、それは1,000万円を借り入れした場合。なかなかそこまでカードローンで借り入れする方はいないので、あまり現実的な数字とはいえないのではないでしょうか。

金利がこれだけ違う理由は2つあり、1つは借りたお金の使いみちが明確に決まっている点です。目的別ローンの場合は使いみちを証明するための書類、あるいは担保が必要になります。

フリーローンやカードローンの金利が高いのはお金の使いみちが自由かつ、担保がないからですね。

そしてもうひとつの理由が、踏み倒しのリスクに対応するためです。むしろこちらがメインと言えるでしょう。

もちろん車のローンや住宅ローンでも踏み倒しが起こることはあるのですが、カードローンよりもかなり低いです。

その理由はやはり「担保」として不動産や車を差し出していること、そしてカードローンよりも審査が厳しいところにあります。

カードローンは気軽に借りられる分踏み倒しも起きやすいのですが、それを高めの金利設定にすることでリスクを低減しています。つまり、誰かが踏み倒すかもしれない損失を前もって金利としてプラスしておくことで損を減らしておく、という感じですね。

銀行系カードローンは保証会社を介しているから保証人不要

銀行系カードローンは、上記の理由にプラスして別の理由で「保証人不要」としています。

例えば、銀行系カードローンでも大手の「三井住友銀行カードローン」の利用条件には、年齢や収入といったよくある文章に加えて

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の保証を受けられる方

という一文があります。これは、三井住友銀行カードローンの保証会社がSMBCコンシューマーファイナンスであることを示しています。

一体何を保証してくれるのか、という感じを受けるかもしれませんが、いうなれば三井住友銀行カードローンを利用する際の保証人がこの保証会社、SMBCコンシューマーファイナンスだということです。

仮に三井住友銀行カードローンを利用していた人が何らかの理由で返済ができなくなってしまった場合、三井住友銀行に対して保証人代わりである保証会社が弁済(代わりに返済すること)をしてくれます。

そうすることで銀行は貸し倒れのリスクがないため、こちらで保証人を用意しなくてもお金を借りることが出来る上、消費者金融と比較しても低金利で利用することが出来るというわけです。

ちなみに、SMBCコンシューマーファイナンスは三井住友銀行のグループ会社で、わかりやすく言えば「プロミス」です。

銀行、特にメガバンクのカードローンは保証会社を自社グループの傘下とした消費者金融に任せる傾向がかなり高いです。三菱UFJフィナンシャル・グループである「バンクイック」の保証会社も「アコム」ですしね。

利用する側にも銀行側にもWin-Winな感じですが、この保証会社に支払う「保証料」はしっかりと金利に含まれています。金利には保証人に支払うお金も含まれているなんてちょっと複雑ですね(笑)。

勘違い注意!「保証人不要」の注意点とは?

保証人が不要でもお金を借りることが出来る理由はおわかりいただけたかと思います。改めてまとめますと、

  • 利用限度額を高くしすぎない
  • 高めの金利でリスクを減らす
  • 保証会社に委託してリスクケア

といった方法により、保証人・担保不要で利用するこちら側はカードローンが使えているのですが…。

特に消費者金融の場合は保証人だけでなく保証会社もありません。つまり、踏み倒すことも簡単に出来る…誰にも迷惑がかからないってこと!?…なんて思っていませんか?

一見そのようにも見えますが、もちろんそんなことはありません。保証人がいないからといってそういったことは簡単には出来ないんです。

消費者金融は保証業務も兼任しているだけ!

消費者金融の利用条件には「保証会社」という言葉は出てきません。

大手のプロミス・モビット・アコムなどなどの利用条件を見てみても

自社の基準を満たす方

という記載があるだけです。しかし保証会社がない=保証人もいない=踏み倒ししてもバレなさそう!?というのは間違いです。

先ほど三井住友銀行カードローンの例を見ていただきましたが、大手消費者金融のほとんどは「保証業務」も行っています。

なぜ銀行系カードローンの保証業務をやっているかというと、銀行には個人への小口融資のノウハウがなかったからなんです。

消費者金融は個人消費者への小口融資を行って成長してきた企業ですから、培ったノウハウは銀行に比べると雲泥の差。銀行はプロに管理をしてもらうことが出来、消費者金融(保証会社)は保証料をもらうことが出来てWin-Winな関係というわけです。

消費者金融はお金を貸すと同時に保証業務も自社で行っているようなもの。もちろん回収についてもプロだと言えます。

「保証人がいないから踏み倒してOK」なんてことにはもちろんなりません、きちんと返済しなければ法律に則って督促されますよ。

ちなみに督促は

連絡先(携帯電話など)に電話 → 自宅へ郵送物(はがきなど)を送る → 自宅または勤務先に連絡

といった形で行われます。最初の連絡先に電話をした時点で反応があり、いつ返済出来るかの回答をもらうことができればその後(支払い予定日までは)連絡が来ることはありません。

ただこの電話を何度にも渡って無視した場合は「連絡が取れない状態」となりますので、自宅へ郵送物を送ったり、最終的には自宅または勤務先に連絡が入ることになります。もちろん社名を記載したり、名乗ることはありません。

とはいえ踏み倒しはほぼ不可能といってもいいくらい難しいことですので、保証人がいないから誰にも迷惑をかけないといって逃げ続けても最終的には延滞金も支払うか、自己破産といった債務整理に行き着くことになる確率の方が高いでしょう。

銀行カードローンの場合も踏み倒しは不可能!

「銀行系カードローンは保証会社があるから、自分が支払わなくても大丈夫なんだよね?」と思っていませんか?

確かに多くの銀行系カードローンは必ずといっていいほど利用条件に「保証会社の保証を受けることが出来る方」と含まれています。

先ほども説明しましたが、銀行系カードローンの場合は保証人代わりに保証会社が保証をしてくれています。

自分が返済できなくなった場合は保証会社が「代位弁済」を行ってくれることも事実です。

しかし、それで自分が返済しなくてもいいというわけではありません。あくまで「代わり」ですので、債権が保証会社に移動しただけなんです。

先ほどの例でいうと、三井住友銀行に対してSMBCコンシューマーファイナンスが代位弁済を行います。借りた人が返済できていない分を代わりに保証会社が支払った図式ですね。

これで終わりというわけではなく、今度は借りた人はSMBCコンシューマーファイナンスに対して元々は三井住友銀行に返済すべきお金を返済しなければならないんです。

そしてお金を返す相手というのは消費者金融、つまり個人に対しての融資のプロ。しっかりと回収しに来ます。

中には「保証会社があるってことは自分が支払わなくても最悪平気なんだ」と思う方もいるようですが、全くもって違います。あくまで銀行側が保証されるだけですので、借りたお金はきちんと返済する必要があります。

保証人が必要なカードローンの場合、保証人に請求が

当たり前ですが、保証人が必要なカードローン、または他のローンを利用した場合、自分が踏み倒すと(連絡を無視したりすると)保証人の方にも請求が行く可能性があります。

嫌な言い方ですが、借金を押し付けることが出来るのが「保証人」です。保証人は連帯保証人と保証人がありますが、連帯保証人の方が重い立場となります。

保証人はお金を借りた人が返済出来る力がある場合は返済する義務が生じませんが、連帯保証人の場合は借りた人に返済能力があっても返済を求められたら返済しなければならないなど、様々な違いがあります。

住宅ローンなどでもない限り連帯保証人となる機会もないと思いますが、保証人であっても借り入れた本人が返済できない状態に陥った場合、自分が代わりに返済しなければならなくなります。

親や兄弟など、よほど親しい人物でもない限り、連帯保証人はもちろん保証人にもなることはおすすめ出来ません。

実際どれくらい違う?担保や保証人のある・なしで商品を比較

あまりカードローンで保証人が必要なものは多くないのですが、たまに保証人が必要な商品もあります。

「保証人を立てるのは大変ではあるけど、保証人アリの場合とナシの場合、似たような商品だとどれだけ違うのだろう?」と思う方もいるかもしれません。

そこで、保証人や担保が必要な商品とそうでない商品でどれくらい金利が違うのか見比べてみたいと思います。

「アイフル」の「事業サポートプラン」で比較してみた!

大手消費者金融の「アイフル」は、一般的なカードローンである「キャッシングローン」の他にも様々な商品を提供しています。

その中で、事業性資金として利用が出来る「事業サポートプラン」という商品があります(一般的なカードローンでは、借りたお金を会社の資金などとする事業性資金として利用することは禁止されています)。

事業サポートプランには

  • 保証人及び担保が不要なもの
  • 不動産を担保とするもの

の2種類があります。それぞれの利用限度額や金利などはどう違うか、比較してみましょう。

項目 無担保ローン 不動産担保ローン
対象 個人事業主・法人 個人事業主・法人
利用限度額
(個人事業主)
1万円~250万円 100万円~2,000万円
利用限度額
(法人)
1万円~300万円 100万円~1億円
貸付金利 12.775%~18.000% 6.800%~12.000%
返済方式 ・借入後残高スライド元利定額
 リボルビング返済方式
・元利定額返済方式
・元金一括返済方式
※個人事業主はカードローン可
元金一括返済方式
返済期間及び
返済回数
最長10年(120回) 最長10年(120回)
担保・連帯保証人 原則不要
※法人の場合代表者の
 連帯保証は必要
担保:不動産
 (土地または建物)
保証人:法人の場合代表者の
 連帯保証が必要

比べてみると、借り入れ出来る金額がかなり違うことがわかるかと思います。

もちろん不動産という大きな財産を担保としていますので、あまり違いがなければその方がおかしいと言えるかもしれませんが…。

金利も、無担保の最低金利よりも不動産担保の最高金利の方が6%程度低い設定になっており、「担保がある」ことの強さがよくわかるのではないでしょうか。

カードローンでも全然違う!あばしりしんきんで比較

カードローンは基本的に保証人や担保が必要ないため、保証人が必要な商品そのものが少ないのですが、北海道の信用金庫である「網走信用金庫」のカードローンのひとつに保証人が必要な「えりあカード」という商品があります。

「えりあカード」と、無担保で利用できる網走信用金庫の他のカードローン商品である「あばしりしんきんオーロラカードローン」の金利や利用限度額について比較してみたいと思います。

項目 オーロラカードローン えりあカード(要保証人)
利用限度額 20万円~300万円 50万円~200万円
金利 20~50万円:12.0%
100万円:10.5%
200万円・300万円:9.0%
6.8%
保証人・担保 不要 一人必要
(100万円以上の場合)
返済額 5000円~2万円 2万円

この2つのカードローンは利用限度額などがぴったり同じ商品ではないため比較しにくい部分はあるのですが、それでも違いがあることはおわかりいただけるのではないでしょうか。

保証人が必要な「えりあカード」は50万円コースこと保証人は必要ありませんが、100万円以上の借り入れには保証人が一人必要になります。その分金利が非常に低い設定となっており、同じ利用限度額帯の他のカードローンと比較してもそれは一目瞭然と言えるでしょう。

同じ信用金庫の商品である「オーロラカードローン」の最低金利は9.0%ですから、2.2%も差があることがわかります。

その他大手銀行系カードローンと200万円での金利設定は下記の表の通りです。

三井住友銀行 三菱東京UFJ銀行 みずほ銀行
(エグゼクティブ)
楽天銀行
10.0%~12.0% 9.6%~12.6% 7.0% 6.9%~14.5%

みずほ銀行のエグゼクティブプランが唯一肉薄するくらいで(ちなみにスタンダードは9.0%です)、ほとんどの大手よりも低金利であることがわかりますね。

保証人不要なのは理由がある!よほどじゃない限り要保証人商品は避けよう

カードローンで保証人が不要な理由から、保証人が不要であることの注意点、そして保証人や担保が必要な商品とそうでない商品の比較…と見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

住宅ローンのような高額の借り入れであれば別ですが、保証人が必要な商品となると、正直利用したくないという方が多いはず。なので、誰でも借りることが出来るような商品を…として、保証人や担保が不要なカードローンが発達してきたのはうなずける気がしますね。

貸金業法の規制が入る前に比べたら厳しくはなりましたが、それでもカードローンはまだまだ利用しやすい借入方法だと思います。

保証人・担保が不要なので家族に内緒で借り入れすることも出来ますし、学生さんやフリーターといった若い方でも借り入れが簡単にできていますね。

その分金利が高めに設定されていたり、利用限度額が制限されやすいといったデメリットもありますが、高めの金利と、安心できるサービスをトレードしていると考えるほうがいいですね。

よほどじゃない限り、保証人が必要な商品は利用する必要はないと思います。カードローンも今は種類が豊富で、探せば保証人・担保不要でかなり低金利な商品もありますので、お得なカードローンを見つけてみてください。もちろん返済はきちんとしないとダメですよ。

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