「キャッシングナイスは借りやすい!」という噂を、聞いたことがありませんか?
「ナイス」と言えば、一昔前に流行った消費者金融の名前なのですが、実は現在は「ナイス」という名前の消費者金融の業者は存在していません。
ではなぜ「キャッシングナイス」の噂があるのでしょうか?ちょっとナイスについて調べてみましょう。
消費者金融「ナイス」はもう消えていた…!
ではまずは、「ナイス」という会社がどんな会社だったのかを、知っていきましょう。
審査がゆるい!?人気の消費者金融
株式会社ナイスは、その名前通りのブランドで貸金業を営む消費者金融でした。審査基準が比較的ゆるく、口コミもあってナイスは結構な人気を博していたようです。
ただし、現在は融資を行っておらず、もちろんホームページ等もないので、その口コミはほとんど残っておらず、実際に借りていた人が口伝えに、その評判を伝える程度の知名度になってしまっています。
ナイスはアエルに統合!もう融資をしていない!
株式会社ナイスは、運営がうまく行かず、2003年に会社更生法の適用を申請しましたが、結局のところは会社の再生は叶わず、経営は立ちゆかなかったようです。
簡単に言えば、潰れそうな株式会社を潰さずに立てなおそう、という法律です。
ナイスも会社をやり直そうとしましたが、会社更生法は適用までに時間のかかる法律なので、それまで持ちこたえることができなかったんですね。
ナイスは貸金業者であるアエルという会社のグループ企業の一つだったので、2004年にアエルに統合され、ナイスは消滅しています。
もちろん、ナイスとしての新規融資も行っていません。
合併後のアエルも新規融資を停止中!
アエルに合併されたナイスですが、そのアエル自体も、なかなか経営は順調とは言えなかったようです。
アエルは金利を法定の利率よりも高く設定しており、返済金を過剰に受け取っていました。いわゆる過払い金です。
この過払いがアエルでは多く、過払い金の返金請求が立て続けに起こったために、経営が立ち行かなくなったようです。
2011年時点では、アエルの事務所も一箇所しかなく、現在は過払い金の払い戻しの受付業務しか行っていないようです。
「キャッシングナイス」の名前を聞くのはなぜ?
ナイスが潰れてから、すでに10年以上経つのに、なぜいまだに「キャッシングナイス」の名前を聞くのでしょうか?その理由を探っていきましょう。
似た名前で「ナイスローン」という業者が存在する
実は、「ナイス」という会社は存在しませんが、「ナイスローン」という貸金業者は存在します。
静岡の貸金業者で、貸金業者登録番号のある、れっきとした貸金業者です。
ただし、注意が必要なのは、このナイスローンには、公式ホームページがないということです。
ナイスローンと同名の貸金業者を騙った、スマホサイトが存在しますが、これはお金を騙し取る闇金なので、絶対に利用しないように注意してください。
ナイスローンは、事業所の連絡先として電話番号が登録されていますが、この偽のスマホサイトは、連絡先がメールしか記載されていないのが、注意すべき点です。
人伝ての口コミが「ナイスはまだある」と勘違いさせる
すでに10年以上経ってしまっている業者ではありますが、ナイスで融資を受けたことのある人は、たくさんいます。
現在は借りていなくても、過去にナイスで融資を受けたことのある人が、友人知人に、口伝てで、「ナイスは良かった」「審査が甘かった」などという口コミを伝える事によって、噂が残っていることもあるようです。
知人から聞いたものの、検索しても情報が出てこないため、質問サイトに質問したりするなどして、「ナイス」の名前が未だに、ネット界隈でも出てくることがあるんですね。
このために、「ナイスはまだある」と勘違いしてしまう人も多いのでしょう。
有名な名前を借りる闇金はたくさんいる!
ナイスは一世風靡した金融会社だったので、過去に融資を受けた人や、その次代によくキャッシングを利用していた人には馴染みの深い名前でもあります。
ナイスに限らず、有名な金融会社、特にすでに倒産してしまったけど著名だった金融会社は、同じ名前の闇金が多く存在するので、注意してください。
正規の金融会社なら、必ず貸金業者登録番号をホームページなどに掲載しています。そして、連絡先もメールだけでなく、電話番号があります。
貸金業者登録番号があっても、他の登録をまるまる載せている場合もあるので、面倒でも直接電話をして確認すると安全です。
「ナイス」に過払い金請求はできるか?
ナイスやアエルは、過払い金が多く発生してましたが、すでに倒産したナイスに過払い金請求はできるのでしょうか?
「ナイス」には請求できない!?
ナイスはすでに倒産しているので、ナイスに過払い金請求をすることはできません。
しかし、ナイスはアエルに統合されているので、債権などもその時点で、アエルに統合されているはずなので、通常はアエルに過払い金請求を行えば大丈夫です。
ただし、アエル自体もすでに倒産に近いような状態で、債権は様々な会社に振り分けられるなどしているため、利権はとても複雑化しています。
このため、アエルにナイス時代の過払い金を請求しても、過払い金の返金が受けられるかどうかは不明です。
過払い金があるならダメ元でアエルに連絡を!
とはいえ、アエルは現在、過払い金の請求受付業務を行っているので、返金されるかどうかはともかく、請求してみて、損はないでしょう。
ただし、過払い金の請求にも、10年の時効があるので注意が必要です。
【過払い金の請求の時効の条件は?】
- 取引完了から10年経過している場合は時効成立
- 過払い金が発生した取引以後、同じ会社との取引があれば時効が延長される
- 過払い金発生以後、同じ会社と現在も取引があれば時効が適用されない
過払い金が発生していた融資の返済が終わった後に、10年経過していると時効が成立するので、過払い金の返還請求ができなくなります。
時効の例外として、返済が終わってから、10年が経過していなかったり、過払い金が発生した取引の後、間をあけずに新規融資を受けていれば、過払い金の返還請求ができる場合があります。
ナイスはすでに10年以上前に倒産している会社なので、過払い金が請求できるケースは少ないですが、アエルでは過払い金の返還請求受付を行っています。
時効の例外に該当するケースもあるため、ナイスやアエルに過払い金がある場合には、ダメ元でも早めにアエルに返還請求の連絡をした方がいいでしょう。
「ナイス」は存在しない!闇金には注意をしよう!
ナイスの話は、どうでしたか?
株式会社ナイスは、倒産後合併したアエルを含め、現在は新規の融資を行っていません。同名の貸金業者は存在せず、似た名前で静岡の「ナイスローン」があるくらいです。
キャッシングナイスという会社は現在、存在しないので、もしも見かけたとしたら、それはナイスを騙る闇金の可能性が高いので気をつけてください!
とは言え、似た名前の業者が新たに参入していないとは言い切れないので、きちんと貸金業登録番号や連絡先を確認の上、闇金ではないことが分かった場合にだけ、借り入れをしてくださいね。