キャッシングを使っていると、どうしても金利や利息、返済総額が気になってくるものですね。特に、「グレーゾーン金利」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
グレーゾーン金利という言葉に、あまり良い印象を持っている人は少ないでしょう。それもそのはず、このグレーゾーン金利の存在で、以前は大変な騒ぎになったものです。
キャッシングをするなら絶対に知っておくべきグレーゾーン金利。そして今もまだグレーゾーン金利のことで苦しんでいる人、その苦しみを解決することができますよ!
グレーゾーン金利とは?法の不備が産んだ現象!
グレーゾーン金利とは、キャッシングやカードローンを使う人なら一度は聞いたことがあるでしょう。むしろ、自分には関係ないとしても、こういった現象が起きたことを知っておくべきかもしれません。
利息制限法の上限金利20%と、出資法の29.2%との間の金利のこと。
主に消費者金融で問題とされた。
利息制限法では違法とされる金利でしたが、出資法で罰則を定めている金利(29.2%)未満であったため、法の合間を縫って横行した高金利と言えます。
このグレーゾーン金利があまりに高金利であるため、返済に困り、自己破産をしたり、取り立てに悩んだりする人が多く出るという現象も発生しました。しかし、法で罰することができない範囲での金利でしたので、対応が後手後手に回ってしまったのです。
社会問題として取り上げられた一面もあり、このせいで、消費者金融のイメージが一時的にとても悪くなってしまったという、困った歴史もあります。
待ってましたの法改正!現在は発生しないグレーゾーン金利!
社会問題化した背景を受け、平成22年6月18日、法改正が行われました。
- 利息制限法
- 貸金業法
この二つの改正により、グレーゾーン金利の発生は不可能になりました。出資法の利息上限を、利息制限法の上限(20.0%)の水準まで引き下げることによって、グレーゾーン金利は撤廃されたのです。
貸金業者としては、利益が減ってしまう法改正ではありましたが、長い目で見れば顧客を潰さずに済み、より健全な貸金業が営めることになったのです。
また、借りる顧客側としても、無理な借り入れをすることができなくなりました。これは貸金業法の改正による制限の発生があったためです。
貸金業法の改正!利用者保護でより快適に!
貸金業法の改正により、顧客側の立場がより守られるようになりました。これにより、利用者はより健全な貸金業の利用をすることができるようになったのです。
- 年収の三分の一までしか借りられない(総量規制)
- 専業主婦(主夫)は配偶者の同意がなければ借りられない
- 一定額以上の借入は収入証明書が必要
- 貸金業を利用の際、信用情報の登録が必須
個人に関わる大きな変化はこの辺りでしょうか。今では常識のことばかりですが、当時はこういったことも整っていない状況でした。そんな中でのグレーゾーン金利ですから、よほど知識がなければ、大変なことになってしまうのは仕方がなかったかもしれませんね。
現在、こういった法改正により、グレーゾーン金利は発生しなくなっています。金利の上限も20%とされており、これ以上の金利を設定することは、どんな事情があろうとも許可されていません。
もしこれ以上の金利を設定する業者があったら、そこは違法業者と考えて良いでしょう。いわゆる闇金ですね。関わればろくなことになりません。どんなに甘い言葉で誘われても、毅然とした態度で断るか、最初から無視するように心がけて下さいね。
心当たりは?法施行前の借り入れをチェック!
このグレーゾーン金利で発生した法外な利息ですが、もしかすると、まだ支払いを続けている人がいるのではないでしょうか。もし現在、あなたが消費者金融などから借りたお金を返済しているのなら、以下のことを思い出してみて下さい。
- 消費者金融にお金を借り、現在返済を続けている
- その借金は平成22年6月17日以前に借りたものである
いかがですか?この2項目にあてはまる人はいないでしょうか。特に平成22年6月17日以前という部分が重要です。そう、法改正の前日までに借りた人が対象となっているわけですね。この日まではグレーゾーン金利が堂々と存在していたのです。
この時期にお金を借りて、まだ返済を続けている人は、もしかすると過払い金が発生しているかもしれません。むしろ、発生していると考えた方が自然でしょう。未だに返しているというグレーゾーン金利の時代の借入は、どう考えても過払い金が発生する数値なのですから。
あなたは払い過ぎているかも!過払い金を思い出そう!
過払い金とは、「払い過ぎた利息」のことです。要はグレーゾーン金利で計算されていた利息のことですね。当時は違法ではなかったため、堂々と適用されていた金利です。
現在、当時の金利で支払いを続けている人は、明らかに利息を払い過ぎている結果になっています。下手をすればとっくに元金を超えている可能性だってありますよね。この過払い金、何と返還してもらうことができるのです。
返還可能!心当たりがある人は請求しよう!
返還を求めることができる過払い金ですが、そのためには、まずあなたがどの程度、どの期間、返済し続けているかを把握する必要があります。法改正前の平成22年6月17日以前(6月17日まで)に借りていることが、何よりも重要となります。
その日付けが分かりさえすれば、あとは簡単です。当時の金利から利息を制限し、明らかに過払い金だと分かることでしょう。そこからは所定の手順を踏めば、割とスムーズに返還が行われます。
グレーゾーン金利は、法の合間を縫った行為で、明らかに健全ではない方法による貸金行為でした。お金を借りて助かったという人もいるかもしれませんが、返還を求める権利があることも確かです。躊躇せず、ぜひ返還を求めてみてはいかがでしょうか。
専門家に相談!高確率で返還請求が成功する!
現在、消費者金融などの貸金業は、過払い金の返還請求に対し、かなりスムーズに対応するようになっています。確かにここで揉めるより、早めに解決をした方が、今後の健全な経営や、一般の人に対する心象が良くなりますよね。
そのためには、返還請求の手続きを、専門家に頼んだ方が良いでしょう。返還請求そのものは難しくないのですが、手続きが色々と煩雑であることは間違いありません。
困った時の専門家!弁護士&司法書士に頼もう!
手続きが煩雑だと、日常生活の中で返還請求を行うのは大変です。また、素人ではどんなに気を付けても間違いが出るかもしれません。修正で更に時間を取られては、返還請求そのものに嫌気がさしてしまいそうですよね。
弁護士や司法書士の中には、貸金業に対する対応に慣れた人たちもいます。返還請求は昨今、とても件数が多いため、専門家もかなり手慣れてきて、より高度で完璧な対応が可能になってきているようです。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 最大限の過払い金を請求できる 相手との交渉や書類の手続きを任せられる |
デメリット | 依頼した費用がかかる |
専門家に依頼した場合、このようなメリットとデメリットが考えられます。どちらを重視するかはあなた次第ですが、やはりメリットを取るべきだと思わざるを得ません。
最大限の過払い金の請求とは、素人では気づかなかった部分や、自分では忘れていた借入についてを確実にチェックしてもらえるということです。あまりにも昔のことでは既に忘れてしまっていることも多いでしょう。
また、相手との交渉や書類に関して、専門知識が必要であることを、全て任せられることも大きいですね。時間の節約は当然ですが、頭を悩ませる専門用語などに的確に対応できるのは、やはり専門家しかいないでしょう。
デメリットと言えば、やはり仕事を依頼するわけですから、その依頼料がかかります。良心的な値段ではあるはずですが、決して安くはないかもしれません。自分にとって最終的にどちらが得となるのかをよく考えて、納得できる方法を選択して下さいね。
どこで探せばいいの?そんな時には法テラス!
弁護士さんに頼みたいけどどこで探していいか分からない、お願いする費用がない……そんな時には法テラスを使いましょう。法テラスとは、「日本司法支援センター」の愛称です。
- 問題解決に役立つ法制度・専門家(弁護士など)の紹介
- 費用の立て替え(民事法律扶助業務)
何も知識がなくても、とりあえず相談してみれば、かなりしっかりとした道案内をしてくれます。弁護士が必要であれば弁護士を、その他の専門家が必要であればそちらを紹介してくれるなど、相談者に最大限のサポートをしてくれます。
また、費用の立て替えも行っています。この場合、内容の審査がありますので、必ずしも全員が立て替えてもらえるわけではありませんが、ダメで元々という考えてお願いしてみるのも良いでしょう。
信用情報もOK!また便利にキャッシング可能!
返還請求はかなりの確率で成功し、払い過ぎたお金が戻ってきます。人によっては何十万、何百万にもなるかもしれません。しかし、嬉しいのはそれだけではないということに気付いていますか?
返還請求が終われば、あなたは過去の借金の返済を終えたということになります。その分の借入額はなくなり、貸金業法の総量規制までの天井が遠くなったということですよね。お金が必要な人には嬉しい状態になるわけです。
信用情報が「返済中」から「返済済」に書き換えられるのは、かなり嬉しいことだと言えるでしょう。しかも、返還請求は何ら悪いことではありません。ご自分の信用情報が、良い方向に書き換えられ、信用情報がより良いものになっていくのですね。
信用情報に注目!返還請求前のトラブルに注意
返還請求が終わり、長い返済が終われば、信用情報は書き換えられます。この後、また新たに借り入れをする人もいるでしょう。しかし、ここで気を付けておかなければいけないことがあるのです。
- 返済中に返済トラブル(遅延など)を起こしている
- 携帯電話の利用料金を滞納してしまったことがある
どちらも耳障りの悪い内容ですが、いかがでしょうか。返済トラブルがあった場合、その記録は信用情報にしっかり残ってしまっているはずです。返還請求の成功、不成功に関わらず、今後の審査に影響してくることは覚悟しておきたいですね。
いくら無事にグレーゾーン金利から脱出しても、こんな過去があったのでは、今後お金を借りることが大変になってきます。こんなことがないように、返済はきっちりと、決められた日までに片付けておくようにしたいですね。
計画的に使いたい!自由で便利な借り入れとは
現在はグレーゾーン金利は完全に撤廃され、貸金業法も改正となり、利用者がより守られる立場となった貸金業界。かと言って、無計画に利用すれば、あっという間に借金だらけになってしまいます。
どんなに便利な借り入れ方法でも、まずは返済計画までを見据えて利用していきたいですね。計画的に賢く、そして自由に使っていきましょう。